株式会社と株式投資とは?〜前編〜

平均寿命が伸びていることにより、定年退職した後の、いわゆる「老後」が延びています。
長期に渡り懸命に働いてきた人にとっては、老後を過ごせる時間が長くなることは、喜ばしいものである反面、不安も大きいと思います。

2019年に金融庁の金融審議会市場ワーキング・グループがまとめた報告書「高齢社会における資産形成・管理」では、平均収入に頼った生計設定だと、毎月約5万円の赤字が出るとの報告がなされました。
これは例の、「老後30年生きるとしたら2000万円が必要」というもので、「2000万円問題」と呼ばれて世間を騒がせました。
報告書では現役時代から国内外の金融商品に投資して、老後の人生に備えることが推奨されており、この頃から国によるNISAやiDeCoといった商品を活用するようなPRが増えたように思います。

金融庁の報告からもわかるとおり、貯金だけしていることで老後は安泰といった概念が時代遅れであることは、もはや国の認めるところとなっているのです。

今日から数回に渡って金融商品及び投資による資産形成と、そのリスクについて解説し、Absolute Infinityとしての意見と考察を述べていきたいと思います。

第1回は株式投資についてです。

株式会社の仕組みについて

はじめに株式を発行する株式会社の仕組みについて説明したいと思います。

株式会社の設立には資本金が必要です。
資本金とはこれから株式会社を運営していく上で必要になる、経営の運転資金になるものです。
資本金を得るためには出資をする人、つまりお金を出す人が必要ですね。
通常は起業をしようとする人が自らお金を出資して資本金とすることが多いでしょう。
また、複数人で起業する共同経営や、場合によっては出資のみを行い経営には参加しない場合もあるかもしれません。

会社設立時に出資した割合に応じて、株式会社は発行した株を出資者に配ります。
株は会社に出資した人に与えられる権利のことです。
会社を運営していくにあたり、様々な目的でお金を必要とすることがあるでしょう。
日常の運転資金はもちろん、事業を拡大するためにもお金は必要です。

では、株式会社における資金調達とはどんなものが挙げられるでしょうか?

1つは上記のとおり、株を発行して出資を募る場合です。
これは言ってみれば、会社という資源を分割してお金に変えることです。
この方法で出資した人たちは、金額の多少に応じて会社の持ち主となります。

もう1つは金融機関から貸付してもらう場合です。
お金を集めるという点では同じですが、出資してもらう場合と貸付を受ける場合とではリスクの種類が大きく異なります。

次の章で詳しく見ていくことにしましょう。

株式を発行する(出資を受ける)ことと銀行から貸付を受けることは何が違うのか?

この章では株を発行する・借り入れをする会社側の視点と、出資をする投資者側及び貸付をする銀行側の視点に分けて見ていくことにしましょう。

まず、会社側が出資を受ける(株式を譲渡する)メリットは、株式を発行して出資してもらったお金は、万が一倒産した場合でも返済する義務がないという点です。
これは出資する投資者側からすると大きなデメリットでもあります。
株式を引き受けて出資をするというのは、会社(の一部)を購入するということですので、購入したものの価値がゼロになってしまったとしても、それは仕方がないということになります。

それに対して銀行などによる貸付は、借りる段階で会社の代表取締役の自宅を担保とするなど、いわゆる抵当が付きます。
これは、万が一返済できない場合には、私財を投げ打ってでも返済しなければならないという会社側(特に社長)のデメリットがあるということです。
銀行側からすれば貸付金の回収ができない可能性が低いので、抵当に対する信頼のもと、会社に貸付ができるわけです。

これだけを見ると、出資者に株式を引き受けるメリットがないじゃないか!と思われるかもしれませんね。
しかし、もちろん出資して株を購入する投資家にもメリットはあります。

出資することによって株主の権利を得ることができる 〜株主の権利とは?〜

出資することによって株式を得ると、株主としての権利が与えられます。
この権利こそが、金融機関の融資などとは異なるメリットです。

主に株主の権利には2つあります。

(1)経営の権利〜共益権〜

株式会社には株主総会というものがあります。
これは何をするのかというと、会社の重要な意思決定をする会です。
株式会社の経営に助言して経営が円滑に行われるように意見することができます。

株主総会は持ち株比率の過半数の賛成で決定されます。
過半数は50%超なので、50%を超えて1つの会社の株を所有すると、実質的にその会社の支配者になることができます。

(2)財産の権利〜自益権〜

1000万円で会社を設立し、その後経営がうまく行って資産を10億円にしたとします。
その後、たとえば会社を解散させた場合、会社の資産はすべて株主の物になります。
持ち株の比率によって均等割されるので、1人が100%株を持っている場合、この10億円は1人のものになります。

では10人が100万円ずつ出資をして、10%ずつ株を保有して経営し、10億円の資産をもつ会社にした後に解散した場合はどうでしょうか?
皆さんお察しの通りだと思いますが、1億円ずつ均等割されるわけですね。

このように、会社の(出資額に比例した)持ち分の割合は、そのまま出資者の権利になるのです。
上記の例では会社の価値が設立時の100倍になったことで、100万円の出資が100倍の1億円になっています。

このように、会社というモノ(厳密には法人)の責任の一部を背負う代わりに、その会社の膨張(成長)によって受益できるという点が、株式を引き受けるメリットなのです。

また、会社が成長している最中には余剰金配当請求権があります。株式会社は経営活動によって得た利益を株主に余剰金として分配することができます。
この分配金を得る権利が株主には与えられています。
この分配金を得ることが株式投資をする人のもう1つのメリットですね。

株式投資の基礎の基礎

いかかでしたでしょうか?

今回の前編では株式会社の仕組みや、株を購入することにより得られる権利についてお話しさせていただきました。
起業せずとも会社の一部を購入すれば、その会社の方針に意見することができます。
会社の経営をする必要はありませんし、会社の業績が良ければ分配金を得ることもできます。

これから株式投資を考えている人にとっては基本中の基本ですので、ぜひ覚えてください。

ただし、出資した金額の範囲で責任が伴うという点もお忘れにならないようにしてください。
会社の業績次第では分配金を得られないだけではなく、倒産してしまったら最悪お金は戻ってこないのです。

今後掲載予定の後編では、株式投資の仕組み、始め方、メリット・デメリット、資産形成としての株式投資はどうかなどAbsolute Infinityとしての意見を述べさせていただこうと考えていますので、お楽しみに!