コロナの影響で今年にも? 金融危機における資産形成の在り方

世界三大投資家の1人ジム・ロジャースは「次は2008年のリーマン・ショックをはるかに超える危機がやってくると言ってきた。それが今、始まろうとしている。強調しておきたいのは、新型コロナウイルスはあくまできっかけに過ぎないことだ。経済危機が来ること自体は、昨年から見えていた。」と日経ビジネスの取材で述べています。

本日のコラムでは金融危機が起こって個人の力ではどうすることもできない事態になった場合に備え、ピンチを乗り切れるような考え方や法則をお伝えしようと思います。

そもそも金融危機とは?

資本主義が根底にある現代社会では、「信用創造」によって経済が膨張して成長しています。
「信用創造」とは、銀行などに預けられた預金の信用の元、信用貨幣を作り出すことを言います。
個人もしくは法人が借金をする際に信用創造が起こり、社会の貨幣が増える仕組みとなっています。

これに対して「信用収縮」という対義語も存在します。
通常、経済全体の貨幣は実在する現金よりも多くなっているため、すべての預金を一斉に引き出すことはできません。
しかし、銀行に対する貸し手である預金者が、この信用貨幣に対して不信感を抱くと、現金紙幣へと交換する(つまり預金の引き出し)を行うことになります。

「預金してもらえている」という信用がなければ信用創造の新陳代謝機能は下がり、経済活動が低調になって信用収縮が加速してしまいます。
借金をした借り手が返済困難と見込まれると、信用貨幣の一部は不良債権化します。
ここで借り手が資金繰りのショートを起こして破産や倒産をすると、債権放棄(借り手に対する贈与)を余儀なくされ、銀行は危機に陥ります。
このような恐慌状態に陥る可能性があることを、一般に金融危機と呼びます。

種類を分別すると、金融危機は「銀行危機」、「通貨危機」、「投機的なバブル崩壊」、「国際金融危機」の4つに大別できます。 

金融危機の歴史(1) 〜バブル景気の崩壊〜 

1974年のオイルショック、1980〜1982年の世界同時不況、1987年の米国株式暴落など、過去のドラスティックな金融危機を覚えていらっしゃる方々もいるかと思いますが、ここでは平成〜今日に至るまでの主な金融危機を振り返りたいと思います。

まずなんと言っても1991年の日本のバブル崩壊が挙げられます。
当時、直前の時期まで経済的に順調だったアメリカが、ニクソンショックやブラックマンデーなどで不景気に陥っていました。
その一方で、日本製品は飛ぶように売れていき、景気がどんどん良くなっていきました。
その背景としては、当時は円安だったことが挙げられ、「日本製品は値段の割に良い」という評価になっていたことが大きかったようです。

しかし、プラザ合意(先進5カ国による為替安定化の合意)後は円高に振れ始め、日本製品の売れ行きが悪くなっていきました。
その打開策として政府は金融緩和を実行します。
その結果として、下がった金利で不動産を買い、その不動産を担保にまたお金を借りる…というバブルを象徴する現象が起こったのですが、実体の伴わない不動産価格高騰はやがて制御不能の状態に陥り、歯止めが効かなくなったところで金融の引き締め(信用の縮小)が起こり、不動産バブルは崩壊しました。

その後の日本経済の状況は、語るまでもありませんね。
財務省がどれだけ「景気が良い」と言ったところでもはや誰も信じる人はいないという時代が、その後30年も続いているのが現実です。

金融危機の歴史(2) 〜リーマンショック〜

もっとも記憶に新しいのは2008年のリーマンショックでしょう。

リーマンショックとは、不動産ローンと密接に絡んだバブルの崩壊が引き起こした金融危機です。
本来融資を受けることのできない低賃金の人々への融資を可能にする「サブプライムローン」を使い、資力以上の不動産を購入させていた仕組みが、このバブルの正体です。

ローン会社はローンを誰でも買えるように債権化して、金融機関や投資家へ売るというサイクルで経済を回していました。
しかし、購入した不動産の価値が下がり始めると、元々低賃金で支払い能力のない債務者はローン会社に返済ができず、ローン回収が不可となり、債権の価格が暴落し、債権購入者である金融機関や投資家が大損害を被りました。

このような矛盾を孕んだ金融の仕組みは、時代や洋の東西を問わず、必ず破綻するものなのです。

金融危機は頻繁に起こるもの! 金融危機を考慮した資産形成とは?

前章までにお伝えした通り、金融危機は頻繁に起こるものです。
数々の金融危機を繰り返しながら資本は膨張し成長して行っています。

では、資本の膨張や景気の良し悪しはどこをみればわかるのかというと、1つの指標として株価の推移が挙げられます。
平成〜今日に至るまでの日経平均株価で、史上最高値の3万8915円を付けたのは1989年12月29日、最安値をつけたのは2009年の3月10日の7054円です。
平成の約30年を切り取って見てみると株価のチャートは右肩下がりになるかもしれまん。

しかし、日経平均株価が作られた戦後から今日までを計算すると、戦後176円だった平均株価は令和2年4月4日現在で1万7800円ほど、つまりおよそ100倍になっているのです。
戦後のおよそ70年で100倍ということは年利にすると10%ずつ経済は成長してきたことになります。

短期的に見たらマイナスでも、長期的に見たら経済は常にプラスだということが歴史から紐解けます。

歴史からも分かる通り、資産形成の基本は長期的に資本経済と向き合うということです。
目先の損得ばかり気にしていては長い人生をしっかりと渡り歩いていくための道を作ることができません。
目先の数センチのズレは遠い未来では何メートル、いや、何キロも離れてしまうかもしれません。
しかし、遠い先を初めから見据えておけば手元のズレというはごくわずかなものになるでしょう。

金融危機にも動じない強い資産形成を!

資本経済の基本は銀行による信用創造で、新しく貨幣が作られることにより資本が膨張していきます。
貨幣はあらゆるものに形を変えて経済を回しています。

ただ、時になんらかの不具合で経済が麻痺する(金融危機が起こる)ことがあります。
麻痺した経済を治療して再び膨張のフェーズに導く…この繰り返しです。

社会に波があるように個人の資産形成にも波があることと思います。
社会の波と人生の波にうまく波乗りしていける人が人生をうまく渡り歩いていけると、Absolute Infinityでは考えています。


では波乗りの上手い下手とはどこに現れるのでしょうか?
実はこの波乗りが上手くできる必勝法となる考え方があるのです。
それは前章でもお伝えした“短期的な目線ではなく長期的な目線”で資産形成を行うということ。

人生は金融危機のスパンのように短いものではなく、90年、100年という長期間のものです。
この長い人生を順調に歩んでいくことと、お金に関する課題は、切っても切り離せないものでしょう。

短気を起こさず、短期で儲けようとせず、時間をかけてお金のなる木を切り倒さずに育て、手入れを欠かさずにしっかりと守っていく。
このようなイメージを持って取り組んで行けたら良いと思います。