債権投資の有効性

今回は債権投資について考えてみたいと思います。

債権は(発行母体にも依りますが)比較的安定した投資成績を上げることができることから、「インカムゲイン(定期収入)」を得るための手段として、富裕層には定着しています。

そのメリット・デメリットを考えてみましょう。

債券の価格を決定するもの = 倒産確率(社債の場合)

株式投資において重視されるのは、一般的に企業の業績に関する各種の指標です。
単純に言えば、右肩上がりで売上や利益が伸びている企業は、今後も株価が上がっていくことが予測されるので、株式投資に適した企業であると言えます。

債権の場合に重視しなければいけないのは、その企業の「倒産確率」です。
債権については企業の業績に関わらず、償還される金額があらかじめ決まっています。
従って、その企業の業績がどうであれ、不渡りを出してしまうような経営の悪化が起きさえしなければ、基本的に約束された利率通りの金額が戻ってきます。

国債についても同様のことが言えます。
要するに、首が回らないほどの借金を抱えていて、デフォルト(債務不履行=償還不能)に陥るリスクがどの程度あるかに依って、手を出しても大丈夫な債権かどうかがが決まってきます。

具体的にどのような指標で倒産確率を見ればいいかという議論は難しいところですが、一つには格付け会社が発表している債権の格付けを見ることが一般的です。

日本国債の安全性

結論から言うと、各格付け機関による日本の国債の安全性の評価は、先進国で最低のレベルに位置しています。

バブル期には最高評価を受けていた日本国債ですが、2000年頃から評価が下がり始め、今ではアイルランドやスロバキアといった開発途上国と同等程度という評価にまでランクが下がってしまいました。

ただし、現時点ではこの格付けの低さによって、私たちの生活が激変するということはあまり考えられませんし、日本国債がデフォルトに陥るという事態もあまり考えられません。(日本国債は日本の銀行や保険会社などによって買い支えられているためです。)

しかしながら、海外から見た日本の(国債の)価値は、残念ながら下がり続けているというのは事実なのです。

投資としての債権購入


国債を買うにしても企業債を買うにしても、先程述べたような倒産・デフォルトのリスクをできるだけ抱えていないものを購入している限りは、債権が紙切れになってしまうようなことはあまり無いと考えて良いと思います。(絶対にありえないとは言えません。)

冒頭で述べたとおり、概ね10億円超の資産を抱えているような超富裕層にとっては、生活の資金を安定的に稼ぐための手段として、債権による資産運用が一般化しています。

比較的安全に定期収入を得るための手段として、債権は優れていると考えて良いでしょう。

ただし、「良質な債権」であればあるほど、リターンの金額は低くなります。
例えば日本国債(個人向け国債)の現在の利率は、税引き後で約0.04%です。
これでも銀行に預けて寝かせておくよりは遥かにマシではありますが、それにしても1,000万円を預けて年額わずか4,000円のリターンしか得られないわけです。

これでは投資手段としては機能しませんよね。

個人向け社債の代表格として人気の高いソフトバンクグループの社債の利率であれば、約1.5%ほどになります。
1,000万円を預けて15万円ほどのリターンですので、「これなら悪くない」と考える人が多いのも分かります。
しかし、ソフトバンクグループは極端に自己資本比率の低い企業ですので、倒産確率というリスク要因は低くないと言えます。
やはりある程度リスクを取らなければ、利率の良い債権は購入できないのです。

債権購入はポートフォリオの補助的手段として

ここまで読んでいただいた方には伝わっているかと思いますが、Absolute Infinityでは債権投資だけでポートフォリオ(資産構成)を形成するのは「不可能」と断じています。

FIREに関する記事でご紹介させていただいた方々は、最低でも年利4〜5%ほどの投資成績を安定的に作り上げています。
これを債権投資だけで賄うのはほぼ不可能です。
(極端にリスクの高い債権であればこの利率に達することはありますが、それはもはやギャンブルです。)

債権投資は、他に魅力的な投資対象が無い場合の「資金の置きどころ」として考えるのが無難だと思います。
例えば資産の7割を株式インデックス投資などに回し、残りの3割を比較的安定していて且つ利率の高い債権投資に回すような手段が良いでしょう。
(実際にAbsolute Infinityでご提案するポートフォリオはこれほど単純ではありませんが。)

投資をした経験のない方の最初のステップとして、債権を購入してみるという経験をされてみることはおすすめします。
そのことによってお金のことにマジメに向き合うきっかけとなるのであれば、債権投資も無駄ではないものだと思います。